ヨガの呼吸をサイエンスする
呼吸器科医師の打越暁さんの「よい呼吸悪い呼吸」という本を読み終えた。
ヨガの呼吸法を西洋医学と結びつけて考えてみたいという、
ちょっとした好奇心から。
緊張した時には深呼吸をしてみるという対処方法は
万人が知る知恵であるが、それを医学的にきちんと証明出来るかもしれない。
この本でサイエンスしてくれた。
腹式呼吸でおなかを膨らませる横隔膜の運動は、
横隔膜の筋肉に存在するセンサーから脳へインパルスが送られ、
脳内モルヒネが分泌されリラクザーション効果が期待される。
深い呼吸で内蔵器をリズミカルにマッサージをすることにより
体内の血の巡りがよくなり、神経を刺激し自律神経のバランスを整える。
また、豊富な血流があるにもかかわらず、重力でつぶれている肺下部にある肺胞に、
深い呼吸でたくさん酸素を取り入れて、ガス交換の効率を上げてやる。
特に、吐く息で副交感神経が働き、
血圧の低下、心拍数の減少などリラックス効果が働く。
さらに、息を吐き切ることでその直後通常以上の多くの酸素を
吸入することが出来る。完全な排気なくして十分な吸気は期待できないと記している。
呼吸に意識を向けてやることは、自分で簡単に出来る治療と言っても
本当に過言ではないかもしれない。