ブランドバック

 

数十年前に大枚を叩いて買ったブランドバックを売ることにした。

 

バックの写真を撮り、説明書きをして最後のボタンを押したわずか数分後に売れた。

瞬殺だ。

 

あまりにも早いので怪しい取引ではないかと疑った。

しかし、購入者とのやり取りを始めると

大学に通い始めた娘さんのためにお母様が購入を決めてくれたようだった。

 

ずっと、ブランドバックをなぜ買ったのだろうと

なんだか自分を恥ずかしく感じていたのだが、

 

この顔の見えないやり取りで、大学1年生の清々しい女性が

このバックを持ちキャンパスを闊歩しているのを想像したら、

なんだかとても嬉しくなった。

 

そして、懐かしい想いも抱いた。