"I Daniel Blake"
「わたしは、ダニエルブレイク」
英語題名には動詞がない。
私にはその方が、自分という存在を最大にこの世に残すという意味に思える。
ダニエルは国から切り捨てられていく。
生活保護、失業保険から繁文縟礼で振り落とされる。
いわゆるお役所仕事、英語ではred tape。
繁文縟礼(はんぶんじょくれい)とは、規則が細かすぎ、煩雑な手続きが多く、非常に非能率的な状況を指す。膨大な公文書を束ねて保存するために使われる赤い紐が転じて、レッドテープ(英語: red tape)ともいう。 wikiより
私の妹が障害者保険を得る時、母はどれだけ嫌な思いをしたことか、思い出した。
しかし反面、「お母さんがんばって書類揃えよう」
と最大限の励ましをくれた役人もいたと言う。
映画上にも悪い役人といい役人がいた。
きっと世の中とはその混ざり合いで出来ているのかもしれない。
ダニエルが友だちになる非白人の20代であろう女性が登場するが、
ひとり親、子供二人、転居、仕事なしという設定。
彼女が配給所でもらった缶詰をその場で手掴みでむさぼるシーンがあった。
とても私には衝撃的だった。いつまでも心に残すべき場面。