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読書感想

「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている」再生・日本製紙石巻工

 佐々涼子 早川書房

 

3・11東日本大震災のノンフィクション。

日本製紙石巻工場が被災し、紙造りを再開するまでの実話である。

 

私も仙台で被災をしたが、被災者なんて奥がましく言えなくなるほど、

石巻の惨状は想像を絶していたのだろう。

 

石巻ですら被災者間でも大きな格差が生まれていた事や、

マスコミでは、被災しても清く正しい日本人ばかりが美化されたが、

略奪があちこちであったこと、事実かどうか疑うような残酷な話も描かれてあった。

そう、「極限に追い込まれると人間の本性が出る」という登場人物の発言は

程度が違えども、私も経験した嫌な体験だ。

 

今は企業城下町に住んでいるので、雰囲気が伝わってきた出来事は、

日本製紙さんが支援物資を丸抱えしているという噂が立ったという話。

大企業だからいい思いをしているというような、ありえる人間の負の心理。

 

あの揺れを体験し、同じ地で同じ時間をやり過ごした一人として、

最後に言いたいことは。

 

多くの多くの人たちが津波が家を飲み込み、人の命を奪うとは想像していなかった。

いつまでも忘れてはならない。津波の恐ろしさを。

いつまでも語り継がなくてはいけない。津波の無情さを。