土が詰まった爪先

 

夕方遅く塾にやって来た野球少年に、

今日の高校野球勝戦を見たと小さな声で質問した。

 

「イエ、練習があったんで」と。

 

そうか、甲子園を目指す子供達は試合など見ずに自分の練習をしてるんだ。

試合を観戦出来ているのは外野の人々だけなんだ。

 

そんな彼が英語で苦労している。

名詞の複数形のSと動詞の三人称単数のSのつけ方が混乱している。

 

彼の論理だと2つ以上だとSがつく。

だからweやtheyの一般動詞にSがつく。heやsheは一人だからSがつかない。

とても論理的だ。

 

名詞と動詞の違いを分からせることをしなければならない。

これで3回ぐらい説明したのだが、まだ彼の論理から抜け出せていない。

 

何か彼がハッとして覚えられる説明はないもんか?

耳がいいので、リスニングから違いを理解させることが出来ないか?

もしや、学校で習ったところまでしか彼の頭には入らない仕組みになっているのか?

 

真っ黒に日焼けした体と、彼の爪に入り込んだ泥がぐっと私の心を捉えた。

 

 

心の通い

 

大型スーパーに行った時のこと、エレベーターに乗ろうと思っていたら、

隣の歩く歩道下りで2歳児ぐらいの女の子が泣き出しそうになっていた。

 

お母さんと買い物カートが先に行ってしまい、

彼女は怖くて歩く歩道に乗れないでいた。

 

私の体が動いた。彼女のところにダッシュして、抱っこし、

彼女に「一緒にお母さんのところに行こうね」と声をかけた。

 

お母さんもカートが固定されているのを確かめたんだろう、

彼女の方に落ち着いて登ってきた。

 

お母さんに彼女を預けて、その場を離れた。

 

私はエレベーターに乗り、隣の歩く歩道を見ると

下の方にいる抱っこされた彼女と目が合った。

私は彼女に向かってバイバイと手を振ると彼女も私に手を振ってくれた。

お母さんはそれに気づきニコニコ笑ってくれた。

 

彼女と心が通った瞬間だと私は信じてる。

気持ちよさ

 

今朝は屋外に出た時、気持ち良さにほっとした。

体がほっとした。そして、心もほっとした。

 

明らからに緊張がほぐれた。

 

あまりにも暑いと体も心も緊張するんだとわかった。

 

気持ちがいいと思える気温は確かにあると実感し、

人間には厳しすぎる環境になりつつある地球を案じる。

 

それにしても、気持ちがいい。

探しもの

 

絶対にあると信じて物を探すと見つかる。

どこ行ったのだろうと目だけで探すと見つからないことがある。

 

その違いは確かにあるような気がしていた。

 

昨日の2歳児子供の発見のニュースは、

私にも幸せを運んで来たくれた出来事だった。

 

ボランティアの叔父さんの信念は何よりも誰よりも強かった。

その想いが子供を助けた。きっと。

自主練

 

夫の「家で練習したらいいじゃん」というつぶやきを

「ヨガなんて遠くまで行ってお金かけなくても、自分で練習すればいいだけなのに

バカみたい」と私の心は翻訳した。

 

ひねくれてるマイナス思考のやな奴だよな、自分。

 

翌朝、週末なのに犬に起こされ、極暑なんで散歩は6時台に済ませないと

いけないことも相まって、早朝に犬の世話を済ます。

 

その後、庭の水やり、洗濯機をかけたら、ひと仕事終了。

 

そして、空間を探してフローリングにヨガマットをひく。

一人でヨガをするということは、自分を甘やかす心との戦いだ。

 

甘やかしの行為とは少し違ったアイデアが次々を頭をよぎって行った。

今日の自分の体の違和感のある場所をじっくり見つめ、

自分の今弱い部分、そこをどう強くしたらいいかを検討したりしていた。

 

ヨガを始める前に、最後まで出来なくても自分を責めないこと。

体と心がやるべきところまで全力を尽くそうということを願った。

 

洗濯物完成と自分の心と体との折り合いでヨガを終了させた。

 

とても良い練習が出来た。

ちょっと癪だが、夫の言葉には一縷の真実があった?

 

 

 

 

 

 

 

過小評価

 

昨晩の練習はきつかった。

毎回、体の状態の違いが分かるのが面白い。

 

でも、師には調子悪そうに見えなかったようだ。

「今日は体力ないです」と言えば、鼻で笑いながら

ここまで出来る人が体力ないなんて…。

 

励まされたようで嬉しかった。

 

シャバアサナ(死体のポーズ)がすごく上手とも褒められた。

えっ、最後に大の字に寝るだけのポーズなんですけど。

 

師曰く、死体のポーズは難しいのよと。

首を伸ばすアシストをした時の感触で分かるらしい。

 

体が床と一体化しているのがよい状態。

 

負の妄想だらけで疲れ切った脳みそだったが、いい呼吸をして

師に褒められた瞬間に、床に地球に脳みそから悪いものが

drainしていったのかもしれない。

 

一人相撲

 

憂鬱なここ数日。

先のことを想像しては悲観的になる。

 

自分の願いは固く。

でも、相手の理想とは違うことになるだろうことに絶望的になる。

 

信念に近い何かがムクムクと心に膨れ上がり、絶対に譲れない。

一人相撲をする毎日。

 

茂木健一郎さんの言葉を信じて、

人をどう動かすことも出来ないが、自分が出来ることを一生懸命やること。

 

 

優勝

 

バトミントンの桃田くんが世界選手権で優勝した。

本当に嬉しく思った。

 

不祥事で一旦は潰されかけた。

でも、関係者を始め世間一般の風潮が

何となく許すという流れに乗った。

 

「清さの一回性」という理論がいつも日本にいる私を縛り付ける。

大学で最も印象に残った学びだ。

 

桃田くんの芸術的な体、動物的な動き、この身体能力、才能を

一流の舞台に登らせないなんて、我々世間人にとっても不幸なんだ。

心を見つめる

 

辛いことは頭でなく心で感じているような気になる。

だから右手で心臓あたりに手をよく当てて願いをかける。

 

なんでこんなこと考えるんだろうと辛く思う時は瞑想がしたくなる。

妄想が止まないが、静かに座ることが大事かと思って。

 

夏真っ盛りの早朝。

蝉時雨のシャワーを浴びながら。

 

 

こどもの気

 

小さな子供がいつもの静かな空間でうろちょろする。

 

集中力が散漫になり、いつものように心静かに自分を見つめられない。

どんどん動作は進むが、とても乱雑だ。

 

いつもは自分の中にある意識が、子供を追う。

 

いつもの空間に子供ひとりが入るだけで、

取り巻く空気がそちらに動き、かき回される。

大人ではそうならない。

 

昨日はそれをとても嫌った私。